2008年6月24日火曜日

公演の感想9 

群青の海原に浮かぶ畳々と拡がる原生林、その森の漆黒の闇に潜み続け、永々と種を絶やさずひっそりと生き続けた黒うさぎ。

あの島が 奄美か、みちのと美沙紀が生まれ育った島なのか。

来る日も、来る日も大島紬を織りながら、母の手一つで娘達を育てた 島 なのか。

今、その娘達は華やかに、観衆の視線を浴び、光に浮かび、懐かしい島の旋律に舞い踊る舞姫ではないか。 どうして涙なしに見られるのか。

薄幸の掌に涙することさえなかった気丈の母は娘達の幸せを 喜びを 只一つの心の支えとして、海をまたいでやって来た。

私の席の後ろから母の吐息が漏れた、涙が光った。これは演技ではない。これ以上の感動はない筈である。

娘達はそれぞれ成長した。今までの美沙紀ではない。紀朝であり、みちのは沙弥朝である。もはや玄人の舞姫である。しかと このまなこで見届けた。

娘達の僥倖あらんことを島の神々に祈ろう。

もう 伊是名を語ることはよそう。黙って余韻に浸ろう。

by SANSEI
22:27:40 - toshiko1886 - No comments -

公演の感想8

あの日あの時…デッかい【がま口】を取り出し改札に叩きつけ何くわぬ顔でスルーした原口氏の姿に戦後を逞しく生き抜いてきた母の姿、そう、二葉ゆり子の岸壁の母!にも似たがま口このみに「完璧の母」を見たのだ!『昭和初期のにほひ』を感じずにはいられなかった。おない年でありながら…思わず“母ちゃ~ん!”と叫んで背中に飛び付きおんぶされたくなったほどだ 

 ところが、そんな『このみ』に舞台と音楽と照明を当てると、もうそこには「おっかさん!」とはとても言えぬエンターティナーが存在するのである。モンドリ打つほどの衝撃・ギャップに驚かされる。

選曲・構成・踊りのセンス(ウチワじゃないよ)総てにおいて一言で言うならば【かっこいい!】のである。

必殺(魅了)・仕事人!である。これからも老骨にムチ打ち、素晴らしい伊是名の舞台を見せてくれ!

0 件のコメント:

コメントを投稿